・住宅ローンのボーナス払いって利用したほうが良いの?
・仕組みがいまいち分からないんだよね…
このような疑問にお応えします。
💡この記事の結論
- ボーナス払いは毎月払いの額にプラスしてボーナス月に加算する返済方法
- 毎月の返済額は減少するがボーナス時の返済の負担が大きい
- いつまでもボーナスが続く保証はないので、ボーナス払いの選択は慎重に
住宅ローンの返済方法を検討する際に気になるのが「ボーナス払いを利用するか」というポイントです。
ボーナス払いを利用すれば毎月の返済額を減らせる反面、いくつかのデメリットもあるので慎重に検討する必要があります。
とはいえ、ボーナス併用払いについて仕組みがよく分からずに、どうすれば良いのか分からないという方も多いはず。
そこで今回は、住宅ローン併用払いのメリット・デメリットを見た上で、やめた方が良いのか分かりやすく解説していきます。
最後まで読めば、ボーナス払いを利用するかの判断基準が分かるよ!
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住宅ローンボーナス払いの仕組み
住宅ローンの返済方法は「毎月払い」と「ボーナス併用払い」の2種類があります。
- 毎月払い:毎月の返済額のみ
- ボーナス併用払い:毎月の返済額に加えて年2回返済額が上乗せされる
毎月払いは、返済額を毎月支払っていく方法ですね。
一方、ボーナス併用払いは毎月の返済額にプラスしてボーナス月に合わせて年2回返済額を上乗せする方法です。
金融機関によっては「ボーナス時返済」「ボーナス加算」などと呼ばれている場合もあります。
ボーナス返済分は融資額の40~50%
ボーナス払い分ってどうやって決めるの?
ボーナス併用払いを選択する場合、返済の仕組みは「毎月払い分」と「ボーナス返済分」の2本立てとなります。
ボーナス併用払いを利用する場合、最初の契約時点でボーナス払いの割合を決めます。
一般的には、ボーナス払い分を借入額のうち40~50%程に設定するケースが多いようです。
仮に、2,000万円の借入なら、毎月払い分が1,200万円、ボーナス払い分が800万円といった形です。
ボーナス払いの割合は、金融機関によって上限などが決められており、一般的には上限50%とされています。
ボーナス払いの割合はしっかりシミュレーションして決めることが大切だワン!
住宅ローン返済でボーナス払いを併用するメリット
ボーナス払いの何が良いのかな?
ボーナス払いを併用するメリットは、月々の返済額を抑えられるという点です。
例えば、2500万円(金利1.0%・借入期間30年)の住宅ローンの返済額を見てみましょう。
返済方法 | 毎月の返済額 |
---|---|
毎月払い | 80,409円 |
ボーナス払い(ボーナス割合30%/750万円) | 56,286円 |
ボーナス払い(ボーナス割合40%/1,000万円) | 48,245円 |
ボーナス払い(ボーナス割合50%/1,250万円) | 40,204円 |
上記のように、ボーナス払いありとなしでは毎月の返済額が大きく変わります。
ボーナス割合30%でも毎月2.5万円ほどの差となり、毎月の返済額を大きく抑えることが可能です。
毎月の返済額を抑えたい人や他のローンの支払いがある人には嬉しいポイントね!
ボーナス払いを併用するデメリット【やめた方が良い】
ボーナス払いなら月々の返済額を減らせるのに、何でやめた方が良いって言われるんだろう?
ボーナス払いには、以下の2つのデメリットがあります。
これらを理解していないと後悔することになるので、しっかりと読んでおきましょう。
ボーナス月の返済が厳しくなる
ボーナス払いではボーナス時にまとまった額を返済するため、その分ボーナス月に返済額が厳しくなります。
2500万円(金利1.0%・借入期間30年)の住宅ローンの返済額を見てみましょう。
毎月の返済額 | ボーナス月の加算額 | |
---|---|---|
毎月払い | 80,409円 | – |
ボーナス払い(ボーナス割合30%/750万円) | 56,286円 | 144,996円 |
ボーナス払い(ボーナス割合40%/1,000万円) | 48,245円 | 193,328円 |
ボーナス払い(ボーナス割合50%/1,250万円) | 40,204円 | 241,660円 |
50%ならボーナス月の返済額は28万円になるんだ… !
このように、ボーナス月の返済額がかなり高額になります。
返済期間中はボーナスがあっても好きに使えず、ほとんどを住宅ローンの返済に充てなければならないということも多くなるでしょう。
また、ボーナスが長い返済期間中ずっと継続される保証はありません。
近年は、新型コロナウイルスの影響でボーナスが減給やストップした企業も少なくありません。
転職や独立することで、ボーナスが支給されなくなる場合もあるでしょう。
返済期間中にボーナス減少すると、ボーナス月の支払いの負担が大きくなりすぎ、返済が滞ってしまう恐れがあるのです。
そもそもボーナスが満額出ないと返済できない金額を借りるのはNGだワン!
返済総額は若干増える
ボーナス払いの場合、返済総額が毎月払いよりも増える点にも注意が必要です。
2500万円(金利1.0%・借入期間30年)の住宅ローンの返済総額を見てみましょう。
返済方法 | ボーナス月の加算額 |
---|---|
毎月払い | 28,947,240円 |
ボーナス払い(ボーナス割合30%/750万円) | 28,962,720円 |
ボーナス払い(ボーナス割合40%/1,000万円) | 28,967,880円 |
ボーナス払い(ボーナス割合50%/1,250万円) | 28,973,040円 |
このように、若干とはいえボーナス払いの割合が増えるほど返済総額が増加しているのです。
ボーナス払いで返済総額が増加する理由が「利子負担の増加」にあります。
ボーナス払いの場合、毎月の返済額の負担を減らせられますが、その分元本の減りも減ってしまいます。
ボーナス時にまとまった額を返済しますが、年2回なので半年間は元本は減りません。
利息はローン残高に対してかかるため、元本の減りが遅いボーナス払いの方が利息の負担が大きくなってしまうのです。
返済期間が長くなれば、その分利息の負担も増えていくので注意だワン!
ボーナス払いを併用する際のポイント
ボーナス払いを選択する際のポイントとして、次の4つが挙げられます。
ボーナス払いしても余裕があるかシミュレーションする
住宅ローンの返済は20年や30年にも渡ります。
その期間ずっとボーナスがある保証はありません。
万が一、将来ボーナスがなくなったとしても、ボーナス払いに対応できる返済計画かをしっかりシミュレーションしておくことが大切です。
毎月の返済が抑えられる分はしっかりと貯金にまわしておこう!
また、完済時の年齢にも注意が必要です。
仮に、35歳で35年ローンを組むと順調に返済すれば完済は70歳になります。
65歳で定年した場合、残りの5年間はもちろんボーナスがありません。
退職後にもローンが残る場合は、退職金を利用するか、退職までに貯蓄してしっかりと返済できるようにする必要があるのです。
ボーナスの使い道を考えておく
ボーナス払いを利用することで、ボーナスの大半を住宅ローンに充てることになります。
旅行や趣味・子供の教育費などをボーナスで検討している場合、それらに使えなくなる場合もあるでしょう。
ボーナスを住宅ローン返済に使っても問題ないか、家族で話し合うんだワン!
ボーナス払い時の毎月返済額で判断しないようにする
ボーナス払いの場合、毎月の返済額が大きく減少するため、毎月払いに比べ一見すると負担が少ないように感じてしまいがちです。
しかし、その分大きな支払いが年2回発生する点を忘れてはいけません。
毎月の支払額だけで安易にボーナス払いを選ばないようにしましょう。
繰上げ返済での対応も検討する
ボーナス払いでは、ボーナスが支給されない場合のリスクが大きくなります。
ボーナスを利用してまとまった額を返済する方法としては、繰り上げ返済も検討できます。
ただし、繰り上げ返済は金融機関によって手数料がかかる場合や、最低返済額が設けられている場合があります。
例えば、りそな銀行の場合の繰り上げ返済にかかる手数料は以下の通りです。
ネット受付 | 店頭受付 | テレビ電話 | |
---|---|---|---|
変動金利 | 0円 | 5,500円 | 5,500円 |
固定金利 | 0円 | 33,000円 | 33,000円 |
金融機関を選ぶ際には、繰り上げ返済の条件も事前に確認しておくことが大切です。
また、繰り上げ返済の時期によっては住宅ローン控除の額も減る点には注意しましょう。
10年以上のローンを組んでマイホームを購入した場合に、一定額を所得税から控除できる税制優遇措置。
住宅ローンの年末残高×0.7%が控除される。
金利が安くなっているなら、他の住宅ローンに借り換えてボーナス払いをやめる手もあるワン!
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ボーナス払いが厳しくなったらどうすれば良い?
すでにボーナス払いで住宅ローンを組んでいる人や、これからボーナス払いを利用する人は、万が一ボーナス払いが厳しくなった場合の対応も理解しておくことが重要です。
ボーナス払いが厳しくなった場合に取れる対応として、次のような方法があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
返済方法の変更を検討する
返済条件って変更できるんだ!
多くの金融機関で、住宅ローンの返済条件の途中変更が可能です。
ただし、変更にも手数料が必要です。
例えば、住信SBIネット銀行の住宅ローンでの条件変更手数料は以下のようになります。
- 条件変更手数料:1契約当たり5,500円
ボーナス払いが厳しくなった場合は、金融機関に相談して毎月払いに変更するようにしましょう。
しかし、金融機関や選んだ商品によっては条件が変更できない場合や、変更審査に落ちて変更できない場合もあります。
契約する前に、条件変更ができるかどうかもしっかりと確認しておくようにしましょう。
ボーナス払いが厳しくなりそうな場合、安易に別のローンを借り入れて返済したり、延滞するのはNGです。
まずは、できるだけ早く住宅ローンを組んだ金融機関に相談するようにしましょう。
住宅ローンを借り換える
ボーナス払いから毎月返済に変更すると、毎月の返済額が大きく増加してしまいます。
毎月払いに変更しても返済が難しいという場合は、借り換えを検討する方法があります。
金利の低い住宅ローンに借り換えして毎月払いにすることで、返済の負担を軽減できるでしょう。
例えば、2,000万円を借り換えする場合をシミュレーションします。
- ローン残高:2,000万円(残期間25年)
- 金利:1.5%→0.8%へ借り換え
- 毎月返済額:47,992円
- ボーナス時加算額:192,462円
- 毎年返済額:960,828円
- 返済総額:24,020,700円
- 毎月返済額:73,557円
- 毎年返済額:882,684円
- 返済総額:22,073,100円
上記の場合、毎月の返済額は約2.6万円増加しますが、ボーナス月の返済額が20万円程減少します。
返済総額も約200万円減少するので、返済の負担を減らせるでしょう。
ただし、借り換えは手数料がかかるので、借り換え先を慎重に判断しなければなりません。
手数料によっては借り換えしてもお得にならない場合もあるので、注意しましょう。
借り換え手数料は金融機関によって異なりますが、50万円~100万円ほどかかります。
上記の例の場合、総額が200万円減少しても手数料が100万円掛かってしまうと、お得になるのは100万円ということになってしまうのです。
借り換えは、借り換え後の返済額+手数料で判断することが大切だワン!
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また、手数料込みで考えなければならないため、金利差は重要です。
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【まとめ】住宅ローンのボーナス払いは基本やめた方が良い
ボーナス払いについてよく分かったよ!毎月返済だけで返済していけるようシミュレーションしたほうがいいんだね。
最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。
- ボーナス払いは毎月払いの額にプラスしてボーナス月に加算する返済方法
- 毎月の返済額は減少するがボーナス時の返済の負担が大きい
- いつまでもボーナスが続く保証はないのでボーナス払いの選択は慎重に
ボーナス併用払いを利用することで毎月返済額を低く抑えることができますが、ボーナス時の負担が大きくなってしまいます。
ボーナスは必ず出るものではありませんし、住宅ローンの借り入れは数十年続くものです。
基本的には、毎月返済だけで返済していけるよう、計画を立てることをおすすめします。
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